ドイツ滞在編③:Mach was du willst.(あなたがやりたいことをやってください)

Servus!(南ドイツ・バイエルンの方言:バイリッシュで「こんにちは」)
半年の留学期間も間もなく折り返し。今回は2回シリーズで、この留学が私自身にどんな変化と成長を促しているかをお伝えします。

 

■ドイツ語学科2年 M.K(女性)
■留学先:ドイツ 州立ミュンヘン大学 (※ドイツ語学科 在外履修制度にて留学中)


日本とドイツ、両方の大学で学んでみて気付いた大きな違いの一つが、ドイツの学生は年齢層が幅広い、という点です。

 
日本で一般的だと思っていた「18歳=大学入学」や「同級生=同じ年齢」といった年齢に応じた進学はあまり意識されていません。

そのため、学内のカフェテリアにベビーカー置き場があったり、ベビーカーに赤ちゃんを乗せて授業を受ける学生がいたり、高校(もしくは大学)卒業後に進学や就職をせず、自由に過ごす時間を持ち、その間に語学を勉強したり、世界中を旅してから入学している…など、バックグラウンドに多様性があります。

ミュンヘン大学内のベビーカー置き場
ミュンヘン大学内のベビーカー置き場

また、日本と比べ「大学=学問をする場所」という認識が強くあるように感じられます。
これはドイツの教育制度、職業教育の影響が大きいと思われます(ドイツでは小学校卒業後の進路が大別すると3種類あります。大学入学資格取得を前提とする「ギムナジウム」、中級クラスの技術者となることを前提とする「実科学校」、職人などの職業となることを前提とする「基幹学校」に分かれます。最近はこれらをまとめた「総合学校」もできています)。


ですから大学入学を選択した学生たちには「自分は今、自らの意思で好きなことを学んでいる」という意識が感じられます。
図書館も充実しており、特にバイエルン州立図書館は毎日朝8時から夜24時まで開いているので、夜遅くでも勉学に励む学生をよく見かけます。

バイエルン州立図書館(閲覧室)。落ち着いて本を読める、お気に入りの場所です。
バイエルン州立図書館(閲覧室)。落ち着いて本を読める、お気に入りの場所です。
バイエルン州立図書館(日本に関連する書籍ゾーン)
バイエルン州立図書館(日本に関連する書籍ゾーン)

学生同士で話題にする内容も、日本で話していた内容から少し変わりました。
教育制度や大学入試制度、政治的なトピックなど、日本ではなかなか話題にならなかった事柄についても興味を持ち、気軽に話します。
お互いの母語を教え合ったり、それぞれが持っている各国のイメージについて、「実際はどんな感じなの?」と聞くこともよくあります。

例えば、中国の「一人っ子政策」は現在廃止されましたが、「やっぱり一人っ子が多いの?」と質問するなど、話題は尽きません。


このような留学生活を経て、今私が当初掲げた目標にどの程度近づいているのか…という点もお話したいと思います。
まずはドイツ語の能力について。言語能力を評価する国際指標・ヨーロッパ共通参照枠 (CEFR)において、C1レベル(熟練した言語使用者)を目指していましたが、そのレベルに確実に近付いています。

現在、C1-1というレベルのドイツ語を受講していていますが、順調にレベルアップできれば、最後の2ヶ月間で更に上のクラスに入り、C1レベルの修了証明書をもらって帰国したいと考えています!

 

中央公論のコラムなどを題材に、日本語の文章をドイツ語に翻訳する授業も頑張っています(ドイツ滞在編①でも記載しました)!

毎週900~1,000文字の文章を翻訳しています。

日独翻訳授業の課題。左から順に、先生の模範解答→原文→自分で翻訳したもの、です。
日独翻訳授業の課題。左から順に、先生の模範解答→原文→自分で翻訳したもの、です。

母語からの翻訳の難しさは、日本語の意味、歴史的な出来事の名前、比喩や連語の意味は理解できても、それを上手くドイツ語に訳せない所です。

例えば、「○○もろくにできないのに」「眼中にない」「穴があったら入りたい」「虫がいい」などの日本語をドイツ語に翻訳する際は、言語の切り替えをスムーズにするために、頭の中で簡単な日本語の文章に書き換えてから、ドイツ語に訳しています。
日本語の文章の内容自体を自分が知らないこともあり、その様な時は特に難しいと感じます。ですが、少人数クラスで授業中も「どの単語が使えるか?」、「どんな動詞が適切か?」など先生やクラスメイトと活発に議論するため、一つずつ課題をクリアすることが出来ています。何より留学生という立場ですが、ミュンヘン大学の正規生と同じように授業に参加し、議論に貢献できていることにやりがいを感じています。

そして、日本語とドイツ語が入り交じった議論を通じ、言語の切り替えが以前より素早くできるようになりました。その結果、日常生活においても「今言った日本語をドイツ語にするなら○○」と通訳、翻訳活動を意識するようになりました。


ミュンヘンの街並み
ミュンヘンの街並み

ドイツでは「あなたがやりたいようにやって(Mach was du willst.)」「何がしたい?」「どう思う?」と、自分の意見や考えが求められることが日本にいた時より格段に増えました。
個々のアイデアが尊重されていると同時に、年齢を聞かれる機会、つまり年齢により何かを判断される機会は少なくなりました。

 

ドイツでは18歳で成人し、大人として見られます。ですので私も何事もまずは自分でやってみて、自分がしたことの責任は自分で持つという意識を自然と持つようになりました。
そして年齢を言い訳にして、自分の考えや軸、人生の目標を変えないようにしようと、新たなモットーも見つかりました!


今回はここまで。それでは次回もお楽しみに!
Tschau(バイバイ、じゃあね、などの意味でよく使っている言葉です)!

 11月末に大雪が降りました。海が無く、アルプスが近いためミュンヘンは雪が降りやすいそうです。
11月末に大雪が降りました。海が無く、アルプスが近いためミュンヘンは雪が降りやすいそうです。